背中の押し方

 今日は大好きなポルノグラフィティの背中の押し方について語ります。

聴いたことが無い人には魅力に気付いてもらえたらありがたいし、 聴いたことがある人には共感や異論の意見でも共有できたらいいなと思います。

 

ポルノの魅力は語り尽くせないほどありますが、背中の押し方が上手いってところをこれから力説します。

上手い背中の押し方って何だろうという話ですが、私は以下の3点のバランスの良い混ざり方だと考えます。

①きれいごとばかり書かない(現実的描写)

②聴き手を見捨てない(受容)

③聴き手自身の力で立ち上がらせる(激励)

 

あくまで背中の押し方について言えば、どれかひとつだけの要素だけでは心には響きにくいのかなと思う。 

 

せっかくなのでいろんな歌の好きなポイントをたくさん書きたかったけど、書いても書いても終わらなくなってしまったのでTHE DAYを例にします。

 

THE DAY

晴一さん作詞。

THE DAY - ポルノグラフィティ - 歌詞 : 歌ネット


ポルノグラフィティ 『THE DAY』(Short Ver.)

 

この曲、というか晴一さん詞は物語的な面が強い傾向があるように思います。

(個人の感想)

通して聴いたときにお話として完結して、伝えたかったことがしっくりくる感覚が大きいので、最初から流れを追っていくことにします。

 

主人公が抱く悔しさが滲む冒頭。

静けさがしみ込むようで息を止めた午前5時
非常階段で爪を噛む 明日はどっちだ? THE DAY HAS COME

 

このサビの後から1番へ。

悔しさの理由につながる出だしからいきなり衝撃的。

けして明けない夜も 降り続けてやまない雨も
このろくでもない世界にはあるんだよ

現実では明けない夜は無いし、止まない雨も無いんだけども、ここで言ってるのはきっと心の中のお話。

 

明けない夜は無いさって言うのは簡単だ。

そしてそれも現実では本当のこと。

でも、心の中の夜はなかなか明けなかったり、心の中の雨はずっと降り続いたりする。

一見救いの無い現実を突きつけたと見せかけて、これは受容だと思う。

この後にも受容の言葉が続く。

少しも変ではないの まどろみに足を取られてる
あなたを責めているわけじゃないんだよ

 

そして、サビの言葉。

行く当ても DON'T KNOW DON'T KNOW 本当は怖いんじゃないの?

踏み出すその一歩一歩が変えていけるさ THE DAY HAS COME

行く当てなんか無いし、一歩ずつしか歩けないかもしれなくても、歩くことには価値があると背中を押してくれる優しさ!

決して止まることに価値が無いとか悪だとかって言ってるのではなく、本当は怖いかもしれないけれど、それでもあなたが進むのなら何かを変えられるよってスタンスの激励が私は好き…。

 

で、最後の大サビで現実と希望を描く。

果てしない Real Survivor 足を引っ張りあう
生き残ったものが勝者で 「FAIR」などは幻想

忍び寄る Secret Hunter 語るのは 天下国家
非常階段で爪を研ぐ 明日はどっちだ? THE DAY HAS COME

足を引っ張り合うドロドロな世界もあれば、公平な世界など無いですよと説いた後、一番最初に非常階段で爪を噛んでいた子がそれでも何かを変えようと爪を研ぎ始めて終わる。

今回伝えたい事と少しそれてしまうけれど、ここで最初の伏線を回収する手法に、感服した。この手法があるから、受容と現実と激励の一連のメッセージがお話を読むように心に入ってくると思う。

 

結論、「現実は険しい。そんな中でもがいたり悩んだりする。でも頑張ると決めたなら自分の足で頑張れや」っていうスタンスのポルノが好き。

という話でした。

他にこうだと思うという要素があればぜひ教えてください。

 

実はMontageもおもしろいって文を900文字以上書いてましたが、まとまらなくなったのでやめました。

歌詞語りは楽しいね。